札幌 9:41 発 網走行き 特急オホーツク3号。
向かうは終着ひとつ手前の女満別駅。
およそ5時間の列車の旅。
「恋を失った」わけでも「暗い過去を背負った」わけでもない、
およそ哀愁というものとはかけ離れた、JUNCOとうさぎの「女二人旅」。

歌旅座ツアーで何度もお世話になっているオホーツクの「友の町」、
大空町から文化事業のお手伝いの依頼を受けてこんな珍しい旅の形が実現した。
その内容はまた後日お知らせしますね。

JRの長旅が苦にならないうさぎと、
移動はもっぱら車 (特にここ最近はトラック)のJUNCOという取合わせ。
そりゃあもう、乗り込む前からのハイテンションをどうか責めないで下さいませ。
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ーーこれから始まる長旅。ワクワクを隠し切れないJUNCOーー

朝食がわりの手製おにぎりやパン、
そして「なんたって5時間もゆられて行くのだから
ワンカップの1本くらいは許されるであろう」と
前日にデパ地下で腕組みしながら熟考して選び抜いた
つまみの高級チーカマやソーセージを備え付けテーブルに並べ、
わくわく気分をのせてオホーツク3号は一路女満別へと走り出した。

周りはアジア圏からの観光客で満席。
勝手に空いた車両を想像していたが、
昨今、札幌周辺のこの手の観光客の多さを思えば、
この時期の北海道らしさを求めて北へ東へ向かおうとするのも当然か・・・。
そんなことを考えながら、そろそろこちらも旅を満喫しましょ・・・となるはずが
何と言うことでしょう!!
特急オホーツクには車内販売がない !!
自販機すらない !!
ウソ!  ない!!  わたしたちのワンカップがない!!!
どうやらコンビニやペットボトルの普及で年々利用が減少したことにより
この路線からは車内販売が中止になったという。
聞いてないよ~~~ !!
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ーーワンカップ欲しさにぶーたれるJUNCOとうさぎーー

もちろん、乗り込む前に買うべきだったのだろうけど
食堂車がなくなった今、車内販売は長旅の楽しみのひとつなのに。
こんなところで また「便利さが生み出した味気なさ」を感じるとは・・・。
トホホホ・・・。

乗り込む前のテンションはどこへやら。
失意のまま、かろうじて買っておいた小さなペットボトルのお茶を
大事、大事に飲み、やがて女満別に到着。

この女満別駅は図書館に間借りする形の無人駅だ。
私たちが降りたホームには連絡通路もなく周りは雪の小山ばかり。
やはり初めて訪れたらしい老夫婦と顔を見合わせて
「どう行けばいいんでしょうねぇ?」
どうやら乗ってきた列車を見送った後、その線路を歩いて渡るらしい。
何ともゆるやかな風情にほっこりして、ワンカップへの恨みもひとまず封印。
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ーー線路を渡るうさぎーー

迎えに来て下さった秋葉さん、菅野さんと共に
文化団体の河西会長も交え、宿にて打ち合わせ。

その後、町のそれぞれのリーダー格の方々で構成されている
文化団体委員会の会議に出席。

大空町は文化活動の取り組みにとても熱心な町だ。
出席した会議でもそれぞれの視線から熱い意見が飛び交い、
決して人まかせにせずに 自分たちの手で作り上げていこうという気概を感じ、
身がひきしまる思いがした。

場をかえた懇親会の席でも町を愛する心の深さに触れ、
少しでもお役に立つならこの友の町がもっともっと身近になると思えて嬉しくなった。
この席には物悲しい流氷の風景にたそがれながら
1人でオホーツク営業に飛び回っていたチエも参加。

大空町といえばこの方
福田さん (本当に「大空」のような方) の巧みな話術と共に楽しい時を過ごし、
チエのパワーもチャージされ、めでたしめでたし。

翌朝「やはりこの時期のこの町をしっかり知っておくべきだ ! 」との天の声に従い
急遽、女満別湖にてワカサギ釣りを体験。
約30年ぶりのJUNCO。2度目だというチエ。
そして初体験のうさぎを歓迎してくれたのか、晴天無風の絶好のワカサギ釣り日和。
管理している内藤名人の手ほどきを受け、厚い氷にあけた穴に釣り糸をたらし、
時おり動かしながら誘いをかける。

ビキナーズラックってあるものですね。いちばん最初に釣れたのはうさぎ !!
この穴はいい、ここはダメだ・・・などと言いながら
小一時間もやれば充分と思っていたのに気が付けばもう2時間。
いやぁ~ワカサギ釣りは楽しい !!
(エサもつけてもらい釣り上げたものもはずしてもらう軟弱者ですが)
長い冬をのりきる生活の知恵を楽しませてもらった。
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ーーわかさぎ釣りって楽しい !!ーー

仕事とはいえ、あたたかいもてなしを受け
メンバーが大空町のライブを楽しみにしていることを実感しながら
チエの運転で帰路に就く。

その車窓に少しずつ街の灯りが増えていくのを眺めながら、
この旅を、この出会いをしっかり形にしなければ
幻のワンカップも浮かばれまい と心に強く誓ったうさぎだった。
お世話になった河西会長をはじめ、福田さん、秋葉さん、大空町の皆さん、
本当にありがとうございました。



*おまけ
釣ったワカサギの一部をしっかり味わうために濃い目の佃煮に・・・。
ゆずの香りを添えて。
楽しませてくれた小さな生命。美味しく頂きます。
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