前略 ピヨ様。
ごきげんいかがですか。司会太郎です。
JUNCO、ついに利尻富士のステージに立つ!
思えば、公演の提案をするために、
ピヨ様と2人で道北へ何度も足を運びましたね。
朝早く自動車で出発していたものです。
真冬の早朝、まだ真っ暗な国道では運転にかなり難儀しましたね。
雪はふつう空から降るものですが、自動車のフロントバンパーのほうから
「雪が上がってくる」のは初めての経験でした。
フランス歌手のアダモもビックリです。
きっと道路に積もった雪が強い風で吹き上げられるのでしょう。
この現象に関しては、宗谷管区気象台に確認しておきます。
利尻・礼文に渡る予定が猛吹雪でフェリーが
欠航したこともありましたね。
札幌からやっとたどり着いた朝の稚内港で2人、
茫然自失のまま、32分間(推定)、押し黙ってしまいました。
極めつけは、やはり、猛吹雪に閉じ込められた涙も凍る遭難でしょう。
自動車が路肩の吹きだまりにスタッキングして動けなくなったとき。
窓の向こうは前後左右天地が白くて、ヴェリー・ホワイト&ホワイトでしたね。
外に出てクルマを押しても動かず、白い雪が顔に瞬く間にくっついて
老人顔になってシートに戻ったときは、
さすがのピヨ様もケラケラ笑わずに、珍しく青ざめていましたね。
最終的には、わざとらしいくらいに消防車が
通りかかってくれて助けてくれました。
あたかもパニック映画のラストシーンみたいに
毛布に包まれて現場から離れることができました。
いや、毛布は貸してもらえなかったな。
利尻島・礼文島では、いろんな方々にお会いできましたね。
でも、なかなか公演にまで結びつけることはできませんでした。
そうしたなか、ピヨ様は北海道歌旅座を卒業して東京へ行きました。
もう雪なんて見たくもなかったのでしょうか。
その後も地道に提案をつづけていたんですよ。
ところがある日、客船にっぽん丸に乗船の機会を得ました。
3回目となる船内コンサートのお誘いです。
航路は小樽から利尻島を経てサハリンへ。
どうですか、ピヨ様。
利尻島で下船できると知ると、可及的速やかに各方面へ打診。
利尻富士町役場に提案して開催を快諾してもらえたんです。
文字どおり「待てば海路の日和あり」。

会場となった〈りぷら〉。キレイで機能的な施設でした
当日は最高の天気。
役場のみなさんも本当に協力的。
2トントラックを持っていけなかったから
不足機材は利尻町の方から快くお借りできました。
不足機材は利尻町の方から快くお借りできました。
町民の方はもちろん、前夜に観てくれたにっぽん丸からも
お客様が駆けつけてくれたんですよ。
お客様が駆けつけてくれたんですよ。
171市町村目の利尻富士町公演。
そして再来週には、利尻町と礼文町公演が控えています。
利尻町は2010年以来、礼文町は初開催で172市町村目。
2017年9月に、北海道最北端の島々で連続して開催できるなんて。
これまでの努力が…というより、タイミングがよかったんでしょう。
「北海道180市町村公演」は、ほんの近い将来に達成できそうです。

フェリーを待つあいだ、島をパトロールする歌旅座メンバー
それでは、ピヨ様。
どうぞご自愛ください。
拾い食いはもってのほかです。
拾い食いはもってのほかです。
ごきげんよう。
追伸
ある早朝の出発時に、ピヨ様が車中で缶コーヒーをぶっかけてくれたボクのズボン、
数ヶ月前に捨てました。意外と長く着用できました。

美しい利尻富士。歌旅座メンバー全員が次に上陸できるのは、いつの日か
本当にごきげんよう。

