昨日ひとつ歳を取った。
40を過ぎた頃からメデタイなどと思ったことがない。
なまじっか札幌にいると義理チョコ的祝福をされるので国外脱出を決め込んだ。
タイのアジトにいる。
あ~サバーイサバーイ!
それにしても新春ツアーは中止にせずよくぞ成し遂げたもんだ。
メンバーの半数が39.5度の高熱を発症した守山、藤井寺公演。
平熱35.3度の俺は未知の世界だからそんな体験したらムンクの叫び顔だろうね。
ツアー中元気だったのは俺を含め司会太郎、アリタの年長組に加えオデブの4人。
無駄に元気なので飲んでばかりいたなぁ。
最終日の行橋公演終了後、博多天神のもつ鍋屋に少し元気になったチエとダル
を引き連れ深夜3時近くまで飲んだ。
翌朝7時、空港見送りに同行した2人は寝不足と二日酔いで土偶顔。
一座の訓示がここでも生きている証だな。
「Love&Passion」愛と情熱。
先輩をリスペクトする精神忘れてはならぬ。
羽田までの体感フライトは5分、トランジット後、映画2本鑑賞しバンコク到着。
そしてアジトで歳を「重ね日」って感じ。
いつものプールサイド、50歳のバースディに思いを馳せた。
当時タイの現地法人は活気に溢れ社員は50人以上いた頃。
週末を利用してカンボジアに近いチャン島へ出かけた。
この島は昨年ひょんな事で注目された。
タイの元首相インラックがバンコクからヘリでチャン島へ、
そしてカンボジア経由でアラブ首長国連邦に亡命したというニュースである。
元首相のタクシン、その妹のインラック、共に祖国を捨て第三国で再起を図って
いるらしい。ある意味たくましい民族である。
そんな在りし日のチャン島で迎えた50歳の誕生日は夕食後にサプライズが待っていた。
タイ人のスタッフがこっそりバースディケーキを注文していた。
昭和世代には懐かしいバターケーキ、高温多湿のタイではポピュラーである。
男4人、月夜のビーチでハッピーバースデーを唄う。
そこに参入してきた隣人はイタリアのオカマのカップル。
日泰伊のコスモポリタンサウンドが拍車をかける。
地獄絵である。
50歳のバースデーメモリー、今思い出しても薄気味悪い。
今回の旅の一冊
「黄砂の籠城」
明治28年の日清戦争直後の北京を舞台にした歴史エンタメ小説。
明治維新後、富国強兵で欧米列強に対抗すべく国家は暴走しその50年後木っ端
微塵になる。
「哀れニッポン」どこかで舵取りを間違えたのだろうね。
その時代自分がいたら何をしていたのだろう。
職業軍人、アナーキスト(社会主義思想家)、旅芸人一座か…
考えてしまう。
旅の車中、チエが本のタイトルを見て目を逸らし沈黙した。
漢字も読めないし意味不明。
だから話しかけないで欲しいと。
でも質問してやった。
「北京にある歴代皇帝がいた城のなまえは?」
元気よく答えた。
「万里の長城!!」
社会歴史は小学生レベル。
ダイエット宣言しても肥る。
映画鑑賞は金曜ロードショーの吹き替え版。
でも縫い子させると女工並みに腕はいい。
こいつもある意味たくましい女だ。