マルチュウカレーとは、〈円山厨房特製ポークカレー〉のこと。
我々は愛情を込めてそう呼んでいる。
歌旅座のコンサート会場でいまやお馴染み。
休憩時間に司会太郎がお届けする歌旅座グッズ紹介と、
昭和のお煎にキャラメルさながらの「売り子コーナー」で
〈楽屋コーヒー〉と並び大人気のこのレトルトカレー商品。
その誕生秘話を今日はお話しましょう。
円山厨房(愛称:マルチュウ)は、我々の当時のオフィスの1階、
札幌は円山西町の丘の上にかつて存在していたレストランだ。
札幌は円山西町の丘の上にかつて存在していたレストランだ。
コンセプトは、ご近所の方々に愛される和・洋・中問わず、毎日来ても
飽きのこない憩いのお店。
人気の定番メニューは、うどんとカレーライス。
立ち上げ時、そのメニュー作りは実にこだわり抜いた。
例えば、鍋焼うどん。
閉店が決まっていた小樽の老舗うどん屋さんへ通いその味を継承。
ダシの鰹節、カマボコなどの具も小樽から取り寄せた。
濃い味が定番の北海道らしからぬ薄味のダシとそれぞれの具材が
マッチして旨かったなぁ。
例えば、肉うどん。
東京時代のBOSS御用達の某老舗店にシェフと同行。その味を再現したもの。
程よく脂の載った豚バラがサラッと浮かび、柚子皮を削った風味は絶品。
今でもたまに夢にまで出てきてしまうのである。
そしてこのポークカレーの原点は、何を隠そう、
実は北埜うさぎのお手製カレーなのである。
スパイシーで柔らかく煮込まれたゴロンとした豚肉がヤミツキになる、
うさぎさんスペシャルが元になり、これをレストランメニューとして
アレンジしたのだ。
日替わりランチも人気で、常連さんも多く、オフィスのスタッフ、
当時からの歌旅座メンバーも毎日ここで昼食を取っていた。
中でも大好きだっただったのが、前述の肉うどんとカレーのミニミニセット。
思い出したら、ヨダレがとまらない。ジュルルル。
円山厨房のカレーがレトルト商品になったのは歌旅座が多いに関係している。
2009年2月の歌旅座公演スタートとなったゆうばり国際映画祭のの特設会場
「ラウンジ夕張」。
コンサートだけでなく、ここでの飲食は円山厨房が出張営業をすること
になったのだ。
今のサーモンズはこの時、舞台にはまだ登場せず、飲食の調理&ホール
スタッフとして参加。
連日の限られた時間の中で提供できるようにと、試行錯誤の試食を度々
重ねてオリジナルカレーに近いレトルトが完成。
納品はなんとギリギリ、夕張本番の当日2月26日。
今の〈円山厨房特製ポークカレー〉は歌旅座と同じ誕生日だったのだ。
マルチュウカレーはこのラウンジでも一番人気。
札幌から連日通った、はじめての公演と4日間のラウンジを運営した
夕張は、これから何かが始まる期待感と心地のよい疲労感の中終わった
のを覚えている。
あれから10年。
丘の上のレストラン円山厨房は3年前に惜しまれながら看板の灯を消したが、
歌旅座の公演数は1000回を越えた。
歌旅座の公演数は1000回を越えた。
我々の愛すべきソウルフード・マルチュウカレーは歌旅座と共に生き
続けている。
そしてこれからも全国の皆さんにお届けします。
これまでの想いとともに。
コンサート会場以外では、歌旅座公式ブログ内オンラインショップでも購入可能。
地元北海道では、札幌駅構内の〈北海道どさんこプラザ〉
北海道土産として販売中です。
まだ未体験の皆さんも、リピーターさんもぜひお試しあれ。