父さんが高校生の時、実は歌手になろうとしていた。
という衝撃的(?)な事実を知ったのは10年前のこと。
還暦のお祝いをする為に、父さんのヒストリーをまとめよう
と各方面に話を聞いていた時に発覚。
父さんったら一言もそんな話してくれなかったぢゃない。
修学旅行にもギターを持っていっては、汽車の中、宿、
どこでもみんなに歌っていたと。
私が上京する時、そこまで乗り気じゃなかった父さん自身にも
そんな時期があったなんて、本当にビックリした。

吉田聰、開成高校、第二期生。
まさに そのギターを抱えて歌っていた頃、同じ校舎で
汗と涙と夢と希望に向かって走っていた友だち。
そんな仲間が集まる同期会で歌ってきた。

40名ほどが全国各地から集合。
お互い下の名前で呼び合う感じ。友だちなら当たり前
なんだろうけど、自分の父さんが 『おぅっ聰っ!』
と呼ばれているのが ちょっこし不思議で。

『娘のジュンコです~お世話になります~』と挨拶すると
『渋公行ったよ~っ』等の声が。既に各地の公演を皆さん見に来て
くれているらしい。嬉しいっ!
元々、自分の家族の宣伝とか自らすすんでやるのが得意じゃ
ない父さんは、この旅が始まってから 全国各地の友人知人に
声をかけてくれている。かなり言いにくいだろうに…。
本当にありがたい。

今じゃ 歌旅座の名曲シリーズ上位に入っている『重ね日』を
歌った。
それぞれの『重ねた日々』を思いながら聞いてくれたかしら…。
曲の終わりで突然、一人の男性(この方も同級生)が
『今日、あなたは僕たち全員の娘になりました~っ』と
少し酔っていたかもしれないけれど、嬉しい一言を言ってくれた。
泣けちゃう。

参加者のみんなが二次会会場へと去っていく中、
父さんが一人残り、片付けを手伝っている。
『今日よぉ~、みんな感動してさ~ 喜んでくれてさぁ~
ホントにありがとなぁ~~』とちょっぴり赤ら顔で言ってきた。
私達は その父さんの笑顔の方が嬉しかったです。

いつかまた 今日会った『重ね日父さん・重ね日母さん』達と
日本のどこかで再会すると思うと これまた嬉しい。
見慣れた猫背の父さんを見送りながら、
かつてのギター少年の夢も、しっかりと背中にしょって
歩いていこうと 気持ち新たにした娘でした。

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(同じく開成高校34期生のNARIKO。『34期生なんですよ~』と
話したら、何故か会場からは笑いが起きた。
『若いね~~っ』という意味かしら?こういう出会いもイイよね~♪)