『歌旅座、いっつもうまいもんばっかし食べてやがるな~』
と思っている皆々様、あながち外れてもいないのですが
各地の珍しいもの=うまいもの という訳でもなく
時に、疲れた身体をより疲れさせる食事というのもあるもんで。
食は本当に大事です。

その中でも『ラーメン』ってぇのは本当に当たり外れが激しい。
しかも我々、困ったことに ラーメン屋を決める時
どことなく歴史がありそうな佇まいの店を選んでしまう癖がある。
このような良くも悪くも『趣』がある店のことを
『落ち武者食堂』と呼んでいる。

想像してみてください。
剥がれた壁・ところどころ焼けてしまった店の名前も読めない暖簾・
負け戦の後のような、もはやラーメンであるかも分からないのぼり旗、
遠くで聞こえるテレビの音、
カウンターの向こうには腰が直角に曲がったおばあさん
(一気にお客が来ると少しビックリする)、無人かと疑う。
油で茶色く変色したメニュー表、何千人?というお客を受け止めてきた
薄~くなった座布団、もはや穴から粉を出すことが出来ないコショウ入れ、
…むぅ~…これを老舗と呼んでいいのか悪いのか。
入っちゃうんですよね、私達。
結論から言うと、すごくうまいかすごく不味いかのどちらかだ。
店主に自覚があるかどうかは抜きにして、エンタメ感はマックス。
時代が平成であることを忘れさせてくれる。

共通しているのは、絶対に揺るがない各店舗の『カラー』がある
ということ。
ラーメンと共に、炭酸?かと思うほど発泡した漬物を出す店、
メンマが一瓶分盛り込まれたラーメン(この店、『ご飯食べたいんだったら
自分で持ってきてな~』と言う)、ただの味噌を溶かしただけの
スープや、『おとうちゃんが作ったん』という カジカの切込みを
一緒に出してくれる店(これが絶妙にラーメンに合わない。ゴメンっ)
等々…さすが落ち武者食堂、胃にも心にもインパクトのある店ばかり。
ラーメン以外の印象が強すぎる。

先日とある町で 落ち武者感はないけれど、妙な店に入ってしまった。
ほぼおはぎのようにまとまったチャーハン。はんごろしどころか
ぜんごろしだ。
こちら もう歯もしっかり生えた大人だってこと知ってるのかしら?
世の中がチャーハンをパラパラさせる為に どれほど頑張って
努力しているのか知っているのかしら?
とどめに、一言。ガックリきている私達に、
『手相見ましょうか?』『自分の本質、知りたくないですか?』
『自分の性格、知りたくないですか?』  ・・・ん?

あぁ…ダメだこりゃ。
まず、この方 チャーハンを見直すことから始めた方がいい。
同時に自分の手相も見ることも忘れず。

食にまつわる話は尽きない。
逆に、こういう経験があるからこそ 本当においしいものに
出会った時の感動がたまらないのかもしれません。
苫前町公演で久しぶりに会った早川さん(元みちくさピンク・ピヨ
の親戚)が差し入れしてくれたトマトとトウモロコシとメロン、
泣ける程 うまかったなぁ~~~

一座の身体は、様々な『リアルニッポン』の食で成り立っている。

そんな世間に負けた女。
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彼女に『本当の自分がなんなのか見てあげようか』と聞いてくる人は
やはり 変だと思うのです。