ごきげんいかがですか。
司会太郎です。 

9月、別名で長月。
夜が次第に長くなっていきますね。
仕事や家事を片付けて、自宅で映画を観るには良い季節。
いや、別に春夏冬でもいいけれど。

僭越ですが、いくつかオススメの映画を紹介させてください。
秋の夜長を楽しむ参考になれば幸い。
ほら、秋っぽい感じのテーマでしょう。

映画のあらすじ紹介としてアマゾンにリンクを張っておきますが、
アマゾンから司会太郎には一切の金銭は支払われません。
でも、今回の記事も広告宣伝っぽいことは否定できません。


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[1]失われた週末 (1945年製作)
主演=レイ・ミランド 監督=ビリー・ワイルダー
アル中は怖いよ、という映画。
主役の作家がアル中なのだけど、
酒が欲しくて欲しくて、もうたまらんという演技が
陰影の強い白黒映像と相まって強烈な印象。
中学生の時、深夜のテレビ放送で観てブッとんだ記憶が。
今でも酒を飲むと、映画の題名と映像が断片的に頭をよぎります。
でも飲み続けていると、そんなことは忘れちまいます。
大根役者と称されていたミランドがアカデミー主演男優賞獲得。
アカデミー作品賞、監督賞、脚本賞も受賞。
同じワイルダー監督の『アパートの鍵貸します』も大推薦。



2スパイナル・タップ (1984年製作)
主演=クリストファー・ゲストほか 監督=ロブ・ライナー
架空のロックバンドを追ったニセモノドキュメンタリー。
いわば、ロック/ヘビーメタルバンドを馬鹿にした映画。
例えば、スパイナル・タップ のドラマーは早死にすることが多く、
その死因が初代の場合「園芸中の奇妙な事故」だったり、
2代目は「他人の吐瀉物をノドに詰まらせた」
3代目「自然発火」、4代目「舞台で爆発」など。
この映画のみどころは、過去の有名なロックバンドを
パロディーにした笑いの数々と、出演者によるアドリブの応酬。
物語の流れだけが決められていて、セリフや動きはすべて
出演者の即興に委ねられていたそうです。
これによって、当時の音楽業界とドキュメンタリー映画を
同時に風刺している不思議な作品です。
アメリカ議会図書館に永久保存されている映画でもあります。
これを言い換えれば、国会図書館にクレージーキャッツの
『ニッポン無責任時代』が永久保存されているようなもの。

主演のひとり、クリストファー・ゲストはのちに映画監督として
ニセ・ドキュメンタリーを多数発表。
なかでも、60年代のフォーク歌手たちが現代に同窓会コンサートを
おこなうという設定の『みんなのうた』もぜひ。



3無法松の一生 (1958年製作)
主演=三船敏郎 監督=稲垣 浩
福岡県小倉(現・北九州市)を舞台に、無学で粗野だけれど
優しい心意気を持つ「無法松」こと富島松五郎を三船敏郎が演じています。
この映画は戦時中の1943年にも稲垣監督が田村正和のお父ちゃん、
阪東妻三郎を主役に据えて公開していますが、当局に
「戦時下にふさわしくない」と一部がカットされてしまいました。
これは同監督自身による完全版です。泣けます。
その後、三國連太郎、勝新太郎の映画、さらにテレビドラマや舞台で
何度も無法松は演じられてきました。
観たのは三船版と阪妻版だけですが、どちらも甲乙つけがたい傑作。
イタリアのヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞(最高賞)、受賞。



以上の3作品。いかがでしょうか。
レンタルビデオ店や販売店、
ネットサービスで見つかると思いますよ。
テレビを観るときは、2メートル以上離れて部屋を明るくしてネ。


では、ごきげんよう。