とうとう10回目となった倉庫番日誌。
10ともなると今まで①(まる1)のようにマルを使って表記していたのに、
 自分のパソコンではマル表記も出来なくなってしましました。

このブログをご覧の方は歌旅座のコンサートを1度でも見た事がある方でしょう…
コンサートの演出は、大きく別けて2つ。
まず歌詞やイメージを映す映像演出と、そしてもうひとつの雰囲気作りは照明。
その照明演出の裏側をほんの少しだけご紹介します。

照明はその機材の特性や仕組みの違いで出来る演出が変わってくるのですが、
歌旅座の使用機材の中ではこれも大きく別けて2種類あります。
まずは昔ながらのスポットライト。
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ハロゲンという電球を使った器具で、白というより少しオレンジっぽい温かみのある色。
レンズが付いていて、それを前後調整する事で照らす広さを調整できるようになっており、
演者ひとりだけ狙った明かりにしたり、ひろくステージ全体を明るくしたりと、
主に人や物を明るく見せるのに使用します。
また、光るスピードや明るさをコントロールする事でより自然な照明を演出できます。

正面からだけでは無く横や後ろから照らす事により見え方が変わり、
出来た影、シルエットもひとつの演出になるんです。
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『ケサラ』でのひと場面。
真横両側から狙いわざと顔の影を出すと…
どうですか、哀愁感でてませんか?

注意しなければいけないのが、とっても高温になる為
本体を触るのは厳禁、一瞬で火傷します。



もうひとつの照明が、最近どんどん進化しているLEDライト。
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今では家庭用LED器具も多くなってきたので、一般的にも知られた発光ダイオードの照明。
舞台でも多く取り入れられるようになりました。

LED照明がない頃、色の入った照明を使う場合は先ほどのハロゲンの照明に
カラーフィルターをつけて使用していたのですが。
1つの照明に1色しか出来ないので、使う色があればあるほど沢山の照明器具がいる。 
1つのステージに物凄い数の照明器具と電気容量が必要でした。

LEDはハロゲンと比べて消費電力1/10で寿命も長いので、
大きな電気容量が必要無くなり、
光の3原色(赤・緑・青)を混ぜる事により、1台でほどんどの色が作り出せる為
照明自体の台数を減らす事が出来るのです。

じゃ〜全部LEDでいいじゃないか?!
と思われた方がほとんどかと…

いい事ばかりな感じもしますが、やはりどちらも向き不向きがあります。
LEDはパッと付いたり、パッと消えたり、色も硬い感じで機械的。
電球の「スーと消えてく」ような柔らかさやジンワリした動きができない。
しかし、電球が出来ないストロボのような俊敏な動きを色を変えながら出来る。

どちらも特徴があり、用途によって使い分け演出しているのです。
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しかしどんどん進化しているLED照明ですので、
この先機械的にも電球のような柔らかさにも対応してくる技術はそこまで来てるようです。
そうなった時にはほとんどの舞台はLEDだけになるかもしれませんね。



歌旅座は、どんなに普及してもしばらくは電球を使いますよ。
なんたってLEDを使う最大の難点はお値段ですから…