私の田舎は、北海道の北の果ての手前にある「美深」という町だ。
 山に囲まれた盆地という土地柄、夏は暑く、冬は寒くて雪深い。
 田舎なので、特にこれといって特徴的なものはない逆にそこが 良いところだったりするのだろう。 
ネイチャー好きにはたまらない大自然が広がっている。 
旅が始まるとなかなか帰ることができないので、年に一度、正月くらいは家に帰って両親とゆっくり過ごそうと帰省した。 
 一年ぶりの帰省だった。 
帰れば「孫の顔が見たい。いつまで歌旅座を続けるんだ」など 自由奔放に暮らす娘への小言で耳が痛い。 
ありがたくもあり、少々疎ましくも思うのだが、こんなことを 言ってくれるのも、元気な証拠と思えば 優しい気持ちでいられるものだ。
 68歳になる父は、昨年股関節の手術をして思うように歩けなくなってしまった。
痛い足をかばった結果、何でもなかった足が 悪くなり、今年はその足を手術するそうだ。
そんな父が、いまだに物置の屋根の雪下ろしをしていると聞き 震え上がった。
 それだけはもうやめてくれと頼んだが「入院したら体が弱る」と言うことを聞いてくれない。
ならば付いて行くしかない。
 驚きだったのは、腰を曲げノロノロと歩く父が私よりも梯子を早く登りきり、段取りよく雪はねを終わらせたことだった。
それは長年の経験から生まれた職人技だった。  
この通り余裕のピースサイン。
IMG_20181231_162732
娘はビビってます。
IMG_20181231_162846
帰ってから母にそのことを話すと、触発されたのかおもむろに上着を着て外に出た。
手には全長2.5㍍ほどある柄の長いスコップ。
これがまた便利なのだが、ちょっと重い…
が母の為に作ったという愛ある一品。
眼差しの先には次なるターゲットとなる物置が。
次はあれか!と私も覚悟を決め共に屋根に登った。
やはり母の技も素晴らしく、柄の長いスコップを巧みに使って三件分の雪降ろしをあっという間に済ませて見せた。
更に母がすごいのは、目覚ましもセットせず早朝6時きっかりにスッと起き、暗闇の中家の前の雪はねをし始めることだ。
夏はそうして畑に出掛けるのだから圧巻である。
なんて頼もしい母なのだ。IMG_20181231_162716
元旦。
もう屋根の雪下ろしはしなくていいのかと父に聞くと「正月は休む」と茶の間でゴロンと寝ていた。
体がなまるから散歩に出掛けようと声をかけると
「用もないのに歩けるか」と一言。
体を鍛えるんじゃなかったのか!?
説得力がありそうで全くないその言葉に大笑いし、父との散歩は諦めた。
よくよく話しを聞けばじいちゃんもそう言って散歩をしなかったとか。
親子は似るものですね。私もそうなるのかしら…

今年もなんてなく過ぎていった正月ですが、口達者な父と足腰の強い母の顔を見てひと安心。
改めて両親に感謝させてもらえた時間でした。
また一年頑張ります。

2019年みなさまにとって良き1年になりますように。
今年もよろしくお願いいたします。