会社の窓から外を見た。
3月も後半を迎えようとしているのに、降り出した雪。
なんとなく切ない思いを抱くのはきっとこの歌が思い浮かぶからだろう。
1975年に大ヒットし、今もなお幅広い世代の中で繰り返し
歌われている曲「なごり雪」 作詞作曲は伊勢正三。
もともとはかぐや姫のアルバムの収録曲だったそうだが私の記憶に
あるのはイルカが歌っているものだ。

私がこの曲を知ったのは小学校に入る前だったと思う。
レコードを集めるのが趣味だった母。
夏は畑仕事で忙しいが、冬になると暇な時間が増えるので母は決まって
秋に収穫した小豆の仕分けや編み物や、縫物をしながらその集めた
レコードを大事に鳴らしていた。
レコード盤にそっと針を落とすのをやりたかったのだが、レコードが
傷つくからとなかなか触らせてもらえなかった。
母のいないときにこそっとレコードをまわすと、回転数がわからず
牛の鳴き声のような音や、テープを早送りしたような音が鳴って
それはそれで楽しんでいた気がする。
そのなかの一つに「なごり雪」があった。
ジャケットまで覚えていたのは顔の肉付きや、小柄な感じがなんとなく
母に似ていたからだったと思う。
母はその曲を聴きながら、ひどく音の外れた鼻歌をよく歌っていた。
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44年の時を経て、母がよく歌っていた曲を私も歌うことになった。
集団就職で愛知県に行った母。その母が体が弱いのを心配し泣く泣く
故郷に帰ってきたという話は聞いたことがあるが、もしかすると好きだった
人との恋をあきらめて帰ってきたのかもしれない。
なんてことを想像しながら、切なさを増すコーラスとアコーディオンを奏でたい。

3月17日の10周年、お披露目させていただきます。
ご来場のみなさまどうぞお楽しみに。



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