今日は友達の15回目の命日。今頃どこにいるのやら。
その子と昔、『オーバーオールの会』というのを
作り、10人くらいオーバーオールを着たヤツラが
集まり呑みあかす、という妙なことをやっていた
ことがあります。最近懐かしくなってしまって
43歳にもなって着てみたりしてるんですが、思い出
が胸いっぱいにこみあげてきて涙が出そうになります。
酔っ払った勢いで、当時の友人に電話して話をすると
まぁた涙が出てしまう。困ったもんです。

テネシーワルツ。
パティ・ペイジが歌っていたこの曲は、確か
『大好きな人が自分の友人と楽しくダンスを
踊っている』状況を悲しんでいる歌だったと記憶
しています。(きっと奪われたのでしょう)
私がこの曲に出会ったのは江利チエミさんの歌う
日本語ヴァージョンでした。

『男女がダンスを踊る』ことが当たり前だった時代。
日本だって、スナックに行けば頬を寄せ合う
『チークダンス』だのルンバだジルバだとクルクル
回っていたのだから。私の記憶では、20年前くらい
に姿を消していったでしょうか。
大好きな人が他の人と踊り、二人だけにしか聞こえ
ない声で会話をする…むぅ…嫉妬もするでしょうね。

公演の時は必ず歌ってきたこの曲。
実は私の心の中に浮かぶのは友達だったりします。
『別れたあの子よ 今はいずこ 呼べど帰らない』
この歌詞が友を思い出させるのです。
この11年間、約1200公演で
『面影しのんで今宵も歌う
うるわしき テネシーワルツ』は私の中の鎮魂歌
になっていきました。

アンケートに、この曲を聞いて涙が出ましたと
書いてくださる方がとても多くいます。
形は違えど、皆さんの大切な方を思い浮かべながら
決して忘れることのない思い出に身を預けて
もらえていたのならこんなに嬉しいことは
ありません。

余談ですが、このコロ期間に全国の皆さんから
沢山お手紙をいただきました。
文字から想いが伝わってくるこの感じは
生のコンサートを届ける時の感覚と少し似ている
気がします。胸にジワっとくるんです。
本当にありがとうございます。

アジトの傍で、玉のような花を見つけました。
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よく見ると、小さな花が集合してひとつの大きな花
になっている。
今回お送りした『北の暦文集』のように、
全国の皆さんの想いが集まりひとつになると
美しい花が咲くのだなと、これまたしみじみと
涙が一粒。
早く、お会いしたいですね。
なにせ私達は、生きているんですから。