先日、音楽大学受験を目指す男の子が、歌旅座のスタジオに来てくれました。
練習は1日8時間。コロナで時間がたくさんある分、どれだけやるかで差がつく、と。
8時間とは凄い!と思いながら、それでも私も受験の頃、随分やったなぁ…と
懐かしい気持ちになりました。

半年間、あの頃と同じように練習したら、やはり効果はあったのだろうなと思うけれど、
本番が全くない中で楽器に向かうのは、時には鬱々と骨が折れるものがありました。

けれども、そんな日々の紆余曲折を経て、「Newアルバム」が完成に近づいています。
その中の1曲「韃靼人の踊り」は、ロシアの作曲家、ボロディンの曲です。



この曲をアルバムに入れることを決めた時、原曲のメロディーはそのままに、
新たな旋律を作ろうという構成が浮かんでいましたが、
その構成を形にする“作曲”という作業は私にとって新しい試みのひとつでした。

遊牧民をテーマに、韃靼人が馬にまたがり高原を駆け、景色が目まぐるしく移り変わる…。

歌旅座の大事な節目に登場して下さるギタリスト下谷淳蔵さんに、
オーケストラアレンジをお願いしました。
下谷さんへ悩みに悩んだメロディーを送ると、イメージが何倍にも広がる音に彩られ
手元に届く…というやり取りを何度もさせていただき、まるで一緒に旅をするように
完成に導いて下さいました。

下谷さん、本当にありがとうございました。
また一緒に、タコ刺しでお酒を呑みたいです♪

半年間。
時間はあるのにアイデアがまとまらない現実的なもどかしさ、
また、人生の在り方、バイオリンは自分にとって何なのか…というような思い、
さらに、時間に比例して増えた酒量による肝臓の危機(私だけではないゾ)と
隣り合わせで制作したアルバムは、思い出深いものになるだろうと思っています。

たくさんの方に聴いていただけますように。
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