こんなに長くひとつの県に滞在したことは過去にないかもしれません。
愛媛県内7箇所ツアーの終わりは、初めての大洲市、2度目の西予市公演です。
愛媛県は、県東部を東予、中央部を中予、南部を南予と、大きく3つの地域に分けられ、
大洲市と西予市はともに南予地域にあります。

日本三大鵜飼のひとつと言われる「大洲のうかい」。
道中、太陽に向かってすっくと立つ、鵜とおぼしき鳥の群れを見ました。
会場は長浜地区にある「大洲市長浜ふれあい会館」。
最近の歌旅座のコンサートは、広い搬入口があり、座席も固定席という大きなホールが多い
ですが、この日はステージ上の5人もお互いが近く、かつてのお寺公演を思い出すような
会場でした。
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コロナ禍、ご来場数も決して多くはないのですが、明るく朗らかな長浜の皆様の笑顔で
満たされた場内。
前列の方達から自然と、両手を左右に振る波が広がって行きました。
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会館の方からいただいた地元のおいしいお菓子、
それを「昭和枯れすすき」の小道具として仕込むチエ。

年配の男性が帰り際、研修生ケーゴに声をかけて下さったそう。
少し前に奥様を亡くされた、と。様々な想いで聴かれただろうな…と思います。
歌旅座コンサートには、私達がこれから必ず向き合わなければならない、
人生の深い悲しみを経験された年代の方々が多くいらっしゃる。
折に触れ、この旅について考えるきっかけをいただいています。

翌日の西予市公演、前回は三瓶地区にて、今回は宇和地区「西予市宇和文化会館」。
前述の一般的なホールで、座席数は1階席だけでも600席。
空席が多いと、聴いている方が冷静になってしまうんですよね。
お客さま同士も、お互いの気を感じながら楽しんでほしい。

「今日は歌旅座小劇場だ。」とBOSS。
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緞帳を閉め、客席もその中に作る。何十年も数々の舞台を作ってきたボスも、
初めての試みだとのこと。
コンサートは非日常。こんな時期だからこそ特別な二時間を、と。
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一人一人の目を見ながら演奏できる距離感と、
小さなイタズラを共有しているような一体感。キラキラした時間でした。
アンケートにも「ライブ感たっぷり!」「驚いた!」と反響をいただきました。
2020年、誰もが皆コロナ苦の中、歌旅座にとっても忘れられない一日となりました。

愛媛滞在中のある会館で、たまたま居合わせた方にコンサートのことを聞かれたので
お答えしたら、「札幌から?嫌だ、怖い~!」と後退りされてしまって、
ウイルスより人がこうやって変わってしまうことの方が怖いなと思いましたし、
やっぱりちょっとショックでしたが、この温かな緞帳の中でそのわだかまりも解けました。

サヨナラ三角また来て四国。ありがとうございました!
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四国最西端、長~い佐田岬。
九州ツアーの始まり始まり。