ロシアの作曲家、ボロディンによるオペラ「イーゴリ公」は、現在のウクライナと、中央アジアの騎馬遊牧民の物語を題材としています。
化学者でもあったボロディンは、あまり多くの作品を残しておらず、このオペラの中の「韃靼人の踊り」は、最も知られているエキゾチックな曲ではないでしょうか。
古くはシルクロードの重要な都市として栄えた中央アジア、ウズベキスタンのサマルカンドは、そんな遊牧民と定住民をつなぐ接点となっていたそうです。
「サマルカンドブルー」と呼ばれる青色のタイルで彩られた建築が並び、遠い国だと思わせる魅力があります。
直行便で9時間。札幌から羅臼まで、車で約7時間と思えば近いものですね。
今ステージで弾いている「韃靼人の踊り」は、原曲からの引用はひとつのモチーフのみで、
あとは私とバイオリンが遊牧民かのように、
イメージする景色を巡っています。
公演を重ねて、作った当初より愉しくなってきました。
お客さまにとっても、思い思いの想像が広がる一曲になってほしいなぁと思っています。