うたたび ザ・コネクション


カテゴリ : 高杉奈梨子

奥飛騨温泉郷の古い家屋に、雪がうっすら積もる景色は風情があり、
初雪の儚さと相まって心が踊ります。
札幌に戻れば雪かきに追われる日々が訪れようとしていることなど今は忘れて…。

北海道は広く、町と町が遠いことは十分実感しており諦めがついているのですが、
岐阜県内の移動もなかなか時間がかかるのですね。
会場の奥飛騨総合文化センターは高山市街から45km離れていますが、
今回で3度目の公演には、県内の飛騨市、下呂市、遠くは数時間かけて
中津川市からもお越しいただきました。

帰り際「2回目の時に一緒に来た主人が亡くなってね…」との言葉に
お互い年を取りましたねと、アンケートへメッセージいただいたことを重ねて思い出しました。

旅の始まりは2009年ですから14年という月日が流れているのですよね。
それぞれの人生を生きてこられる中、
「ずっと歌旅座と関わって下さっているんだな」しみじみありがたく思いました。

会館の内藤さん、近藤さん、この度も開催の機会をありがとうございました。
4年前と変わらず迎えて下さって嬉しかったです。
皆様、再会を楽しみにしています!

公演終えて、大相撲九州場所8日目を観戦。
初日から休場していた朝乃山が出場し、大関貴景勝を破りました。
大相撲の盛り上がりにも祝杯を♪

栗きんとん発祥のまち、中津川の方よりいただいた「栗きんとん生食パン」を
みんなでおいしく頬張りながら、晩秋の東海コンサートツアーが終わりました。
次は九州ツアーが待っています!

奥飛騨記念写真
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ロシアの作曲家、ボロディンによるオペラ「イーゴリ公」は、現在のウクライナと、中央アジアの騎馬遊牧民の物語を題材としています。
化学者でもあったボロディンは、あまり多くの作品を残しておらず、このオペラの中の「韃靼人の踊り」は、最も知られているエキゾチックな曲ではないでしょうか。
中央アジアの遊牧民、その暮らしはどんなものだろう…馬のいななき、乾いた草原を走るひづめの音。夜には広い砂漠とゲルで休む彼らを月が照らす。いきいきとした踊り賑やかな市場。
古くはシルクロードの重要な都市として栄えた中央アジア、ウズベキスタンのサマルカンドは、そんな遊牧民と定住民をつなぐ接点となっていたそうです。
「サマルカンドブルー」と呼ばれる青色のタイルで彩られた建築が並び、遠い国だと思わせる魅力があります。
直行便で9時間。札幌から羅臼まで、車で約7時間と思えば近いものですね。
今ステージで弾いている「韃靼人の踊り」は、原曲からの引用はひとつのモチーフのみで、
あとは私とバイオリンが遊牧民かのように、
イメージする景色を巡っています。
公演を重ねて、作った当初より愉しくなってきました。
お客さまにとっても、思い思いの想像が広がる一曲になってほしいなぁと思っています。
そういえば、先月、大相撲春場所で優勝した霧馬山、日本に来る前は遊牧民だったとインタビューで話していました。
大関昇進を願っています!


ナリコ写真
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冬の東北、体の芯から冷える寒さが堪えます。北海道と比べたら大したことないでしょう!とよく言われますが、雪のない寒さはまた別物ですね。

藤崎町はりんご「ふじ」の育まれた津軽平野中央の小さな町です。
前回、藤崎町文化センターを訪れたのはコロナの奇妙な波が迫りつつある2020年2月22日のことでした。
この間、3年近く連絡の取れなくなってしまった方がいたり、青森に来ると楽しみにしていたお店が閉店していたりと、様々な場面でなくしたものを意識することが多かったですが、変わらない人のあたたかさを感じられるのは幸せなことですね。
皆さんの歌に合わせて自然に手を振ってくれる雰囲気は心からほっとします。
公演後ロビーに響く訛りも心地よいのです。
青森県内各地、中には遠く下北半島佐井村からたくさんのお客様にいらしていただきました。

終演後、アリーが会館の方にご挨拶に伺うと、サーモンズの振り付けで迎えてくれたそうです。「一緒に楽しんでもらえたんだな」
とても嬉しかったです。
また来年もぜひお会いできますように♪
そして青森の未開催の町にも、初めましてのご挨拶に行けたらと思っています。
ありがとうございました!

写真① りんごジュース 「ねぶた」おいしかったです♪
写真② GOD HAND(神の手)のリハ風景1671076319278
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スマホを使い始めたのはいつからだろう?
機械音痴で慣れた操作が変わるのは億劫なほうなので、歌旅座メンバーの中では
後ろから3番目ではなかったかしら。(最後まで粘ったのはジュンコとボスです。)

多くの人が携帯電話を持つようになり、家に電話をかけることは滅多になくなりましたが、
昔は友達や彼氏彼女に連絡するのも家電(いえでん)でしたね。
誰が受話器を取るだろうと息を潜めて呼出音を聞いたり、長電話を怒られたりしながら。

高校の合格発表の日、公衆電話から家にかけたこともよく覚えています。
ギリギリで受けた高校、電話の向こうからは心配していた家族の明るい声。

「その人」にかけているけれど、今思えば当時の電話は、周りの人達も少なからず
巻き込んでのコミュニケーションだったのだなと思います。

もうひとつ思い出すのは、小さな頃、父の仕事の関係で住んでいたシンガポールでのこと。
ある日、国際電話で祖母と話す母が泣いていた。遠く離れた外国で、母の声を聴けば
涙が出る。今ならよくわかります。
もし携帯電話があったなら、裏のバナナ畑にでも出て気づかないうちに話を済ませ、
私がこんなふうに振り返る記憶を持つことはできなかったでしょう。

もっとも、すぐ連絡がつくと思えば、さほど淋しくもなかったかもしれませんが。

このすぐ連絡がつくということで、あまり緊張感がなくなったのが
「待ち合わせ」ではないでしょうか。
約束の時間に着かなければ会えないかもしれない、ということは、
特別な意図がある場合を除いて、ほとんどなくなりました。
なぜなら…
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(メンバーのLINEスタンプを拝借。)
昔は駅に伝言板があったそうですね。
ちょっと遅れてしまって、数分前にそこへ書き込んだあの人を思い浮かべる、
なんだかいいですね。

そんな見えない繋がりを日常で味わう時間に、人としての色気が宿るのでしょうね。
無くならずとも、その時間自体はやはり短くなったのだろうと思います。
手紙の返事を待つ日々や、不在で声が聴けなかった長い夜を思えば、
読んだはずなのに返信がないという、既読機能付きのLINEならではの不安など
受け流せそうなものですが、良くも悪くもしっかり順応している自分がいます。

アナログでもデジタルでも、伝え合うことは、それがどんなことであっても、
大事に思いたい。

旭川公演のアンケート、皆で嬉しく有り難く、読ませていただきました。
ありがとうございました。
しばらく公演はお休みですが、再会を楽しみに、暖かな季節を待ちたいと思います。
みなさまとうぞお元気で!
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歌旅座は今、細かなレコーディングを重ねています。
JUNCOの歌に、コーラス、ギターはこんな雰囲気、バイオリンはどちらのフレーズがいい?
等々、少し録っては聴いてみる、という作業。
これは便利であります、本当に。

先月末、45年の歴史を持つ銀座のレコーディングスタジオ、「音響ハウス」の
ドキュメンタリー映画を観ました。
録音技術の進化により、一堂に会さずとも音楽制作が可能になった今日。
アナログからデジタルへ。そこで語られていた失われたもの、変わらないものは、
人と人の間にも通じるなと思いました。

例えば、誰から届いても、同じ携帯の文字を読むことが当たり前の毎日、
ふと手紙をもらうと、やっぱりなんだか温かい。

手紙と言えば、私も“日ペンの美子ちゃん”世代、当時の雑誌には文通相手募集のページが
必ずありました。
今では考えられませんが、確か住所も載っていましたよね。
知らない人との文通は経験がないですが、何度か転校をした子供時代、
次の町へ行くとしばらく手紙のやり取りをしていました。
本当は好きだったみたいだよ、などと打ち明け話が書かれていると、
子供ながらにその距離を感じた記憶があります。

高校時代は、授業中、おしゃべり代わりに小さなメモ帳を回していました。
他愛ない日々のことが各々の文字で綴られていて、なかなか捨てられない。
今ならLINEを使うのかな。

反省文を書いたこともあります。
当時の師匠から、ちゃんと練習しますという誓いを書いて押印するように、と。
今となっては笑い話ですが、真剣に書きました、東京都港区宛てに。

お礼も謝罪も告白も、伝える基本は手紙でしたが、そのうちそれはメールになり、
LINEになり、目の前の人がどんな字を書くのかわからないことが多くなりました。
なので、「あ、こんなふうに書くんだな」というのを見られた瞬間は、ちょっと嬉しい。
歌旅座の公演アンケートも、メッセージとともに、字と出会う愉しさがあります。

「その人」を感じられる幸せ、大事にしたいですね。
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北海道は三月に入ると、雪景色の中に少しずつ、春が来ます。
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